こんにちは、けんしんです!
良く短距離走の練習で行われている練習に全力疾走、いわゆるダッシュトレーニングがあるかと思います。
全力疾走はレース同様のスピード感で走り、それなりの負荷もかかりますのでレースの感覚を磨くには有効な練習になります。
しかし、やり方を間違えると思わぬケガをしてしまったり、力が入り過ぎでスピードが出ずに意味のないトレーニングになってしまいます。
そこで今回は、私の考えるので全力疾走トレーニングのメリット・デメリットについてお話したいと思います。
全力疾走トレーニングのメリットとは?
タイムを測定し、現状がわかる
レースとほぼ同じスピードで走りますので本番を想定しての練習ができます。例えば100メートルでは全力で走らないとSD、加速、中間、減速でどこが強みでどこが弱みかわからないものです。
レース中にしかわからない部分も再現できるので自分の走りを分析し、次のレースに備えられます。
ウエイトトレーニング並の強度の練習
全力疾走だと普段の走りよりかなり負荷の高い衝撃を脚は受け止める事になります。これは体重の約3倍に匹敵するといわれますのでどんなに軽い人でも150キロレベルの負荷に耐えることになります。
そうなるとウエイトトレーニングで普段扱っている重さよりも重いという事になります。
また、中にはウエイトトレーニングをすると逆に走れなくなる人もいるかと思います。これはウエイトトレーニングで鍛えた筋肉が走りに活かせていないからです。全力疾走トレーニングなら走りに直結した筋肉に刺激を与えられますのでウエイトトレーニングよりも走りに活かしやすくなります。
この全力疾走の負荷に耐えられる脚になれば本番のレースもしっかり走れるようになるでしょう。
弱点がわかる
全力疾走を行うと自分の走りの弱点がわかります。
例えば走りで腸腰筋やハムストリングスを使いたいと思っているのに、全力疾走すると大腿四頭筋(前もも)ばかりが疲れる、という方はうまく腸腰筋やハムストリングスを使えずに大腿四頭筋に頼った走りをしてしまっているという事になります。
こういったきてほしくない所に負荷がかかったり、きてほしい所が疲れないとするとそこが伸びしろという事になります。
そういう時は全力疾走の前に使いたい筋肉に刺激を入れるなどして対策をしましょう。
全力疾走トレーニングのデメリットとは?
ケガをしやすい
全力疾走は負荷が強いトレーニングですのでケガをしやすくなります。例えば疲労が溜まっていて弱っている箇所を負傷したり、逆に鍛えていて強い所に頼りすぎてオーバーワークでケガをしたりしやすくなります。
ですので疲労が溜まっていたりすると注意が必要です。
疲労がたまりやすい
一本の負荷が強いので疲労が溜まりやすい練習になります。
ですのでその日に何本も繰り返したり、毎日のように取り組むと怪我の原因になってしまいます。
練習強度のバランスを考えて取り組みましょう。
フォームが崩れやすい
全力疾走で良くなりがちなのは「力む」という事です。力んでしまうと本来のスピードが発揮できなかったり、頑張っているのに全然進まないといった事になります。
また、速く動かそうと意識しすぎてキックが空回りしたり、末梢の意識になりがちで重心移動がうまくいかない場合もあります。
ただ練習では速く走れるけど試合では伸びない方は力みや末端意識が強い傾向がありますので全力疾走トレーニングで原因がわかった方はチャンスです。
全力疾走トレーニングのポイントとは?
狙いを意識する
この全力疾走トレーニングで何を得たいのかを明確にしてから臨みましょう。ただ全力を出すだけでは全力疾走の意味がありません。
全力の中でもストライドを維持できるか、ピッチと接地タイミングを合われられるか、フォームが崩れないか、脱力を使えるか、など全力疾走の中で何が出来るようになりたいかをしっかり決めて取り組むようにしましょう。
何度もやらない
気をつけなくてはならないのが何度もやらない事です。全力疾走の中でコントロールできる部分は少ないと思います。できなかったからといって「もう一本!もう一本!」と繰り返すと疲労が溜まり余計にできなくなり、自信を失います。
この全力疾走トレーニングは質を極限まで高めるのが重要です。レストもしっかりとってなるべく少ない本数で仕上げましょう。
できなかった事は次回の宿題です。
疲れを溜めた状態でやらない
自分の身体と相談して練習する事が重要です。疲れを溜めた状態でやるとケガのリスクがあがります。せっかくの質の高い練習でケガをしてしまってはもったいないですよね。
また、疲労がある中で全力で走ってもフォームが崩れたり、スランプに陥る事もあります。
ですので疲労がある時は無理せずこのトレーニングは回避しましょう。
全力疾走トレーニングと相性の良いトレーニング
5割の流し
全力で走っている時はなかなか動きのコントロールができません。ですので全力で走る前に5割くらいの流しで走るための筋肉を呼び覚ましましょう。
例えばウエイトトレーニングのアップでは重りを外した状態で動きの確認をしますよね?それはウエイトトレーニングで鍛えたい筋肉に「今から刺激を与えるよ」と合図を与えるのです。そういった意味で全力で走る前に使う筋肉に刺激を入れましょう。
スロージョギング
スロージョギングでは文字通りゆっくり走るので走りのバランスを整えるために行います。
スロージョギングで自分の身体と会話をする事で「ここの筋肉が疲れてるから、頼りすぎているな」とか「肩が力んでいる」とか「ここの筋肉を使った走りをしたい」とか見えてきます。
ちょっとマインドフルな状態でゆっくり走ります。
そうすると強い所に頼りすぎないフォームが身に付いたり、ケガをしにくいフォームになったり、疲れにくいフォームになったりします。
これはケガをしたときのリハビリにも使えますので調子が上がらない時やケガ明けで早く復帰したい時にも試してみるといいでしょう。
まとめ
全力疾走はかなり質の高いトレーニングとなりますが、その分負荷も高いです。
したがって疲労が溜まった状態を避け、ケガに注意して取り組みましょう。
また、全力疾走の前にはスロージョギングや流し、ドリルなどで使いたい筋肉に刺激を与えておく事も効果を高める上で大事です。




